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副腎皮質機能低下症に関する論文を読んでみました1

主治医に勧められて副腎皮質機能低下症に関する論文を読んでみました。

 

この論文に副腎機能低下症のガイドラインが載っていること、小児についても記述があること(息子はコートリル低値です)等勉強になるので是非とも読んで欲しいとのことでした。(「もし内容が理解出来なかったら私が500円で買い取るから持ってきて!」とおっしゃるお茶目な主治医w)

日本内分泌学会に問い合わせをして取り寄せてみました。送料込みで500円でしたので、気になる方は取り寄せてみるといいかもしれません。

 

私は医師でも何でもない素人ですので余り難しいことは分かりませんが、読んでいて気になったことや興味深かったことを備忘録として書いておきます。

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読んだのはコチラ(写真が反射しちゃっててすみません)。

「日本内分泌学会雑誌

 副腎クリーゼを含む副腎皮質機能手歌唱の診断と治療に関する指針

 2015年 9月号」

 

第1部 副腎皮質機能不全症診療の概要

第2部 成人慢性副腎皮質機能不全症の診断、治療の各論

第3部 先天性副腎過形成症治療各論

第4部 急性副腎不全の治療各論

 

それぞれ気になったところをピックアップしていきます。

 

「第1部」副腎皮質機能不全症診療の概要

 *成人慢性副腎不全症の成因

  →原発性副腎不全症は副腎そのものに病変があり、アルドステロン、コルチゾール、副腎アンドロゲンの3つのホルモンの脱落症状をきたす。

  成因として副腎結核と自己免疫機序による特殊性副腎萎縮が大部分を占める。先天性副腎低形成等により乳幼児期より長期にわたり慢性副腎不全症を発症し、その後慢性副腎不全症に至る場合もある。

 

 →続発性副腎不全症は視床下部病変によるCRHまたは下垂体病変によるACTHの合成・分泌低下に伴い、副腎からのコルチゾール、副腎アンドロゲンの欠乏を招く。

  成因として下垂体腫瘍、頭蓋咽頭腫などの腫瘍性病変による影響やその治療(手術、放射線など)後下垂体機能低下症によるものが多いが、リンパ球性下垂体炎のように自己免疫性の成因もある。

     <P.6より引用>

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次のページに副腎不全症の原因疾患の一覧が載っていました。

私が最初に言われた「医原性(ステロイド投与)」も続発性の中に含まれていました。

 

*内分泌学的検査

 →早朝ACTH、コルチゾール値を測定する。

  (外来では朝絶食で、9時までの採血が望ましい)

 早朝コルチゾール値が

1)18㎍/dl以上であれば副腎不全症を否定できる。

2)4㎍/dl未満であれば副腎不全症の可能性が高い。

3)4㎍/dl以上かつ18㎍/dl未満は可能性を否定できない。

    <P.8より引用>

私はほぼ未検出、息子は2程度なので1に当てはまります。

 

*迅速ACTH負荷試験時の血中コルチゾール頂値が

1)18㎍/dl以上であれば副腎不全症を否定できる。

2)18㎍/dl未満であれば副腎不全症の可能性を否定できない。

3)15㎍/dl未満は原発性副腎不全症の可能性が高い。

     <P.9より引用>

私はこちらもほぼ未検出だったので3、息子は1に当てはまりました。

 

この後、迅速ACTH負荷試験や連続ACTH負荷試験、低用量ACTH負荷試験について記述がありました。

 

*治療

 コートリルを10-20mg/日に補充することの記述あり。この量で通常とのことです。

 →朝と夕の2回投与の場合は朝2:夕1にする。

  例:20mg/日の場合 朝15mg 夕5mg

 

  →朝 昼 夕の3回投与の場合

 0.12mg×体重(kg)で朝の投与量を決め、朝:昼:夕を3:2:1の比率で分割投与をすると、血中コルチゾール値がより生理的変動に近似する。

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*特殊な状況下での補充療法

 副腎クリーゼ(急性副腎不全)対策として、小ストレスではコートリル30-50mg/日、軽度~中程度の手術では25-75mg/日、大手術では150mg/日程度を目安にする。

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私もこの表を主治医にコピーしてもらい、追加でコートリルを補充する時の目安にしています。

 

*患者指導のポイント

1.自己判断でGC(糖質コルチコイド)の内服を中断しない。

2.身体的ストレス時、たとえば、インフルエンザ、発熱、抜歯、強めの運動(長時間歩行など)の際には、ストレス対応のため、コートリルを通常服用量の1.5-3倍の量を服用する。

3.ステロイド剤服用の自己中断やストレス時の不十分なステロイド服用量では副腎クリーゼ(急性副腎不全症)と呼ばれる病態となり、著しい全身倦怠、吐き気、嘔吐、発熱、腹痛、低血圧等の症状を認めること、さらに症状が重くなると、意識障害をきたし、ショックに至る場合があり得ることを認識する。

4.万が一の時に備えて、緊急時用のカード(病名、処置、連絡先を記載)を携帯しておく(主治医にカード作成を依頼)

         <P.15より引用>

 

患者携帯緊急カードは私も持っています。一度だけ使ったことがあります(ノロによる嘔吐でコートリルが飲めなくなって救急搬送された時)。

www.sophiated.com

 

 
こんな感じでかなりざっくりですが、続きます。